釣り人の探究心は強欲なもので、女子更衣室に目当ての魚がいれば、立ち入るのも辞さない感じがあります。
それは極端な話ですが、似たようなことで話題なのが『軍艦島』に居る釣り人たち。
世界文化遺産になる前から、もともと上陸自体も禁止です。
許可があってようやく──なのに、釣り人は魚さえいればどこからともなく湧いてきますね。
軍艦島の釣り人はどのような言い訳を用意しているのだろうか
軍艦島の釣り人は、「なんでこんな所に釣り人が!?」と以前から話題でした。ネタとしては写真映えします。
廃墟マニアの聖地と名高い『軍艦島』は、もともとクルーズ船を利用しての外周遊覧は盛んでした。
上陸は許可がある時だけ。そうやって守られてきた背景もあります。(所有権が複雑なのもあるが)
一方で釣り人と渡船は無許可。
それぞれの利益のために、世界文化遺産になる以前から現在まで上陸を繰り返しています。
世界遺産で観光ルート制定をし、いい加減”不法”を見過ごせなくなった現状……。
ようやくアイツが立ち上がります!
市「管理すんの俺なの? あ、俺しかいねぇわ(笑)」
軍艦島(端島)の所有権は現在、長崎市にあります。
それを辿るのも面白いですが、冗長になるのでこちらを参考に。(→端島(長崎県))
まあそんなわけで、軍艦島のゴタゴタは長崎市さんがケツ持ちしなきゃいけません。
市は世界遺産登録を機に、軍艦島の「廃虚」を守る護岸についても、市に管理責任があると気付いた。このため、市は従来の「黙認」姿勢を見直し、15年7月に釣り客を上陸させないよう船長に要請したが、拒否されたまま協議は膠着(こうちゃく)状態にあるという。
ようやく気づくってやばない? いったい何のために世界遺産登録したんだチミは。
廃墟マニアには有名ですけど、所詮は無人の孤島……。いちいち監視員を派遣して、いたずらに予算を削るくらいなら黙認しよう──。
そのツケが今になって重くのしかかります。
「今まではよかったのになんでこれからはダメなんだ!」
彼らはそうとでも言うのでしょうね。はーやだやだ(代弁)。
違反を斡旋して稼ぐメシはうまそう
渡船と釣り人、どちらがより罪に問われることになるのだろう。
上陸禁止区域に踏み入れるのは釣り人だから、不法侵入なりで法律・条例違反でアウト。渡船はその幇助でワンチャンてところ。他には軍艦島の海域に侵入禁止があれば同様にお縄ですね。
ここだけじゃなく他の立ち入り禁止区域でも、侵入して釣りをするアングラーは後を絶ちません。
今はスマホで撮影した映像も、証拠能力が十分認められています。
「現行犯だろ? よゆーよゆー!」と思っているバカほど、突然郵送されてくる起訴状に震えることもあるやもしれません。
私が一番やべーと思ったのがこの部分。
船長は取材に対し「父親の代から40年以上、瀬渡しを続けている。収入の7割がこの仕事で、辞めるのは納得できない」と説明。市は「護岸での釣りは罰則はないが条例違反。今後も釣り客を運ばないようお願いしていく」(同課)としている。
なんか誇りを語ってますけど、違反の幇助ですからね?
市の説明に”護岸の釣りは罰則がない”とあるように、上陸せず船の上から釣りをする分ならOKです。6m超はある危険な堤防上じゃないと、彼らは釣りがしたくないんですかね。
稼げる時こそ稼ぎ、機がすぎたら潔く去る
違反幇助の瀬渡しより、いずれ需要が増える観光通訳クルージング船団の一員になるほうがいいのでは?
市の補助も受けられるだろうし、稼ぐ手段として正攻法だと思います。──なけりゃ作って市場独占したほうがウハウハでしょうに。
軍艦島(本来は端島)もかつては炭鉱採石で栄え、人口密度だけなら東京以上でした。
エネルギーが石油へシフトすると、炭鉱業は急激に衰退します。島から人は去っていき、無人島となりますが、昨日までそこで暮らしていたかのような生活の跡を残しています。
しかしこんな狭い島に、鉄筋マンションをドカドカ建てる資材をよく運び込んだもんだなぁと。日本の建築魂は古来からぶっ飛んでますね。
いずれ観光で訪れてみたい。SIREN2のモデルでしたっけ。