大阪FSで「未来を感じる!」とか「これから来る!」と感じたモノを集めてみました。
これらの中でも一際ビビッときたのは『Cyberfishing』。
なぜ日本でこういう技術が生まれにくいのだろう。その答えは、多くのアングラーが無自覚で行っていること。
やはりというか、ITに関する釣具は全然なかったのが残念でした。
CES2019から大阪FSに来た「Cyberfishing」
「Cyberfishingって何?」を説明すると、釣り情報のデータ収集と共有を同時に行うモノです。
ようするに、「どこそこでこんな魚が釣れたよ!」などの釣り情報を、ロッドに装着したセンサーが自動で収集してくれるわけ。
ロッドにスマートウォッチを着ける感じで、全然邪魔にもならないです。
これを全てのアングラーが装着することになれば、釣り情報を扱う雑誌は商売あがったりかもしれません。逆にそのデータを利用して全国版を作るのも簡単になります。
ただユーザー数が少ないとデータの意味がありません。
外国の製品だしマニュアルも何もかも英語。なので「英語がわからないからうーん星ひとつ!」も普通にありそう。
日本国内に浸透するのは代理店が出来てからだろうなぁと。

釣りのITデバイスとしては『Deeper fishfinder』が有名でしょう。こちらも出店しており、片言の日本語でパンフレットを渡してくれました。
もともと春先に買うつもりだったから、現物を見れたのは嬉しかった。
CES2019で革新的デバイスとして受賞している
向こうだと「やべーなこれ! すげーよ!」と絶賛されていそう。
それが日本に来ると、言葉の壁も少なからずあるけど、それほど必要としてない感じがします。
領収書をエクセルに落とし込んで計算するか、そのまま電卓で打って計算するか。
結果が同じであれ後者に慣れすぎた日本は、便利な情報技術に異様な拒否反応を起こすんですよね。
日本でデータ収集系のアプリが浸透しないワケ
日本の市場原理はけっこう姑息でして、儲かる話は独占する傾向が強いんですよ。
それは商売で勝つ秘訣でもありますが、こと魚釣りにおいては、釣れたポイントの開示は個人情報よりガチガチなのが釣り人たちです。
現地に迷惑をかけたくない? それは建前であって、本音は「釣れる場所をわざわざ教えるかよバーカ」でしょう。
なのでCyberfishingのような、情報共有タイプのIoTが魚釣りに浸透するのは、まだまだ先の話かなと感じます。
今釣れやすい場所は、なるべく人が来ないところなんです。
だから磯や離島が注目されているわけですね。
──誰もこれない釣り場なんて、土地買い取って私有地にするしかないと思うのですが。
どこでも描ける発光ペイントの「CYALUME PAINT」
大阪FSで最初に引き寄せられたのは、暗闇でも発光するペイントを、噴射して文字を書いたり塗布したりすることがスプレーの「サイリュームペイント」です。
制作したのは株式会社ルミカ、夜釣りのお供に定評がありますよね。
これ実は、技術的に世界初らしい。
主な使用用途は、災害につきものの大規模停電時など、夜でも光る文字で案内をすることができます。
都市災害はガス漏れが懸念されるので、火も電気も使えない状況もあります。
そんな時でも迷わず使えるこれは、重要な防災用品になりますね。
サイリュームペイントの発光時間は約4時間。
釣行に使うには十分な時間ですね。
夜釣りで光らせたい所に塗布できるから自由度が高い
例えば投げ釣りで、穂先にケミホタル的な物をつけたい時──
細すぎるとアタッチメントがつかないし、テープで巻くのも余分な重さが乗ってしまうし絡まりやすくなる。
サイリュームペイントなら塗れば光るから、それらが必要じゃなくなります。
こちらはLED発光で強いハピソンのパンフから抜粋。
光る釣具を持つパパは、災害時に頼りになるそうですよ!(リチウム電池も安くねぇんだよな)
ユーザーの写真からも作れるデジタル魚拓の「リフィッシュ」
絵を立体的に魅せるのは陰影が要。
墨の魚拓は大きさの記録をするに十分ですけど、魚の特徴を記録をするのは難しい。
最近はデジタル魚拓も増えてきて、フルカラーで魚を記録することもできる時代です。
その中でも一際光ってたのが、写真からも作ってくれる「リフィッシュ」でした。
いやもうマジで剥製かと思ったもん。したら絵じゃない?
その精彩さに驚きました。カワハギなんて持てそうだったもん。

将来的には3Dデータ化して、個人のVR水槽に入れて鑑賞する楽しみとかありそうですね。
FSは製品自慢9割、技術自慢が1割くらいだったかな
フィッシングショーは釣具店などへの卸売も兼ねているので、商品の見せ方がそんな感じです。
釣具は見るより触れるほうがわかりやすいですけど、本質は魚をかけてからだし、そこで全てを理解して感想をいうのは難しいですね。あくまで所見で終わります。
訪れる人もそれを求めているから、商品展示に人気が集中するし、技術展示や環境保護活動などへの興味は薄そうでした。
CESのような革新技術を披露する場としても、認知されると嬉しいですね。
頑張れ釣具業界!