ネタバレ:場所による
季節の変わり目は長雨になりやすく、特に近年は豪雨になることが多い。濁流となった川で釣りをするのは誰もが無謀と感じます。しかし、アングラーの考えはそこじゃなく、”いつから釣りができるのか?(ソワソワ)”にあります。
今記事では、「記録的な大雨後でも魚釣りはできるのか?」の疑問を持つ人たちに、ある程度の指標を示したいと思ってまとめました。
大雨後の釣りに潜むリスク
釣行予定日に大雨が重なり、お天道様を恨んだアングラーは多いでしょう。大雨警報が発令されている状況下で、避難目的以外で自然に飛び込むことは命知らずの行動です。
でも解除されていれば?
警報がなければ私を縛る鎖(法律)はない、だから行っていいよね? ──などと考えるかもしれません。
警報解除後でも、増水した河川がすぐもとの綺麗な川に戻ることはありません。雨が止んで太陽がでても土砂災害の危険性は残されています。海は低気圧の影響で波が高く風も強いため、転覆の恐れが高まります。
まあ……こんな時でも釣りをしようと考えるのは、上位1%の中でも選ばれし”上級釣りバカ”しかいないでしょう。
それでも君は釣りがしたいのか?
大雨が止んだ後、”すぐ”釣りをするのは無謀です。
……そんなの誰だって解っている(はず)。それでも、それでも私には、この日しか残されていないんだ! 人によっては明日から入院日だとか、行きたくない出張が待っているとか、そんな状況もあると思います。
そんな人のために、記録的な大雨後でも、(諦めなければ)釣りができるかもしれないポイントをピックアップしてみました。
記録的な大雨後でも魚釣りができるかもしれない場所
記録的な大雨の基準は、特別警報かそれに切り替わる前の警報クラスの前提としています。局地的なゲリラ豪雨ではなく、TVやニュースで「十年に一度」と表現される大雨を想像してみてください。
そんな豪雨の後でも、魚釣りができるだろうポイントを、確率も交えて表してみました。
- 90%:室内型の釣り堀
- 50%:屋外型の釣り堀
- 30%:湖・池
- 20%:川の支流(上流域)
- 10%:港内
- 100%:ゲーム
ツッコミ所は多々あるでしょうけど、ひとつずつ説明していきます。
大雨後は釣り堀に一抹の希望を託して
釣り堀(管理釣り場)は人間が環境をコントロールしているため、全天候型の施設が多くなります。さすがに警報が出ている状況下で、営業を続けるのは安全管理と保安の関係上、難しいことは理解してください。
管理釣り場は山間部に多く、こちらは自然の池や川を利用しているため、豪雨による影響は少なからずあります。一方で都市部は室内型もあるため、天候に左右されないメリットがあります。
屋外型は自然の中で釣りができるのがウリですが、荒天時はどうしようもなく、特に土砂が流れ込みやすい大雨後すぐの営業は難しいことも。海上釣堀は荒れて渡船ができない可能性が高いし、どちらも災害で道路が寸断され、辿り着けない可能性もあります。
以上の理由から、室内型の釣り堀は90%、屋外型の釣り堀は50%としました。
この結果を聞いて、アングラーの皆さんは「室内型の釣り堀なら365日釣りができるやんけ!」とかヤバイ発想をするかもしれません。ただ──想像しているのとは違うと思います。
室内でどうしても狭いからキャスト不可になる。だから短い延べ竿で、”釣りあげれる魚”が選ばれる。……金魚がメインになるから、家族サービスか布教で訪れるのが妥当かと。
湖と池は自然環境でもまだマシなポイント
湖と池は河川流入が多くないため、豪雨の影響ですぐ濁ることもないです。でも周囲から土砂が流れてくることもあるし、山体崩壊でもしたら、新しい湖が生まれる可能性もあります。
そもそも”池になっている”のは、水がそこに溜まりやすい状況なのも忘れないように。
大きな湖なら雨の影響がすぐに出るわけでもなく、流入河川から離れた場所だったり、深度がある場所なら普通に釣りができるでしょう。そのため、大雨後の自然環境下で魚を釣りたいなら、最も確率が高いといえるかもしれません。
ダム湖など河川流入がある水域は流木が目立つため、航行が危険になるし、釣りがしにくいことには変わりません。
釣りはできるが辿り着ける保証がない上流域
河川の支流のさらに上流域は、ネイティブに近い釣りが楽しめる場所として人気です。ただし川幅が狭く、岩もゴロゴロしています。険しい登山と変わらない釣りになることから、渓流マニアの最終目的地として、ごく一部のアングラーが訪れるポイントになります。
よくニュースで流れる増水した川を見て、疑問に感じることはありませんか?
大木すら流れる濁流の中、魚はどうやってこの危機的状況を、”泳ぎながら”生存しているのか……。この謎をとく鍵が釣り人にありました。「大雨で増水しても支流なら釣れる」と……。それを裏付ける研究を見れるのがこちら。
大雨で増水した流速に逆らって泳ぐと、いずれ魚は力尽きてしまいます。釣り人なら魚とのやりとりで実感しているでしょう。じゃあ魚はなるべく泳がずに、どこに佇んで洪水をやりすごすのか。
当時北海道大学の牧口博士らが10匹のヤマメ(サラマオマス:20-30cm)に発信器をつけたところ、大型台風による大洪水にも関わらず、1匹も流されることなく、いつもと同じ場所に留まっていたそうです。わずか20-30cmの魚が3mを越える大氾濫でもじっと耐えられることに驚きました。この河川は大型の石が多く、逃げ込むスペースが十分に存在したのかもしれません。
https://noah.ees.hokudai.ac.jp/envmi/Itsuro/flood.html
川が増水すると魚は、流速が弱くなる物陰を探し、そこにとどまるわけですね。これはスリップストリームと煮た原理です。(参考→スリップストリーム)
鴨川が増水すると、オオサンショウウオくんの避難状況がよく話題にあがります。魚たちは陸上にあがることはできませんが、水中の安全な場所を見つけて避難しているのでしょう。
流れ着くゴミと濁りでどうしようもない港内
海にある港は防波堤で囲まれているため、外洋の影響を受けにくく、船を停泊するのに適した場所を人工的に作り出した施設です。そのため港内は、大雨の最中でも比較的安全です。
港は古い時代の水上交易のターミナルでもあったため、その近くに大きな河川があることも多い。河川が増水すると、多くの倒木や草が流れてきて、それが港内に貯まることもあります。近くになくても外洋が運んできたゴミが辿り着くことも……。
なので”大雨後”のほうが、ゴミで釣りがしにくくなる状況になりやすいです。
水面上のゴミがなくなっても、水底に沈んだ物も多いので、投げ釣りやルアーをやる人は、根掛かりに注意しましょう。
ゲームなら電気があればどこでもできる!
震度7でもゲームをやめられなかった人がいるように、いつでもどこでも釣りを楽しみたいなら、「魚釣りゲーム」の選択もあるのではないだろうか。
この分野は詳しくないため、各自の興味に任せます!(ぶん投げ)

大手釣具メーカーにいけば、シミュレーターで体験することもできそう。いずれはロッドとリールをコントローラーにして、体験型VRも登場してくることでしょう。
自身の安全と住む場所を守ってから釣りにいこう
緊迫した避難所で、「明日釣りいけねーなー」とか呟いたところ、それを聞いた人はどう思うでしょうか? いくらアングラーの私でも「ヤベーやつがいる」と引きます。
人の命と地域のことより、自分だけ優先する人だと感じとるでしょう。しかし発言者は”数少ない楽しみが潰された”と思っているだけ。そのグチをいうことの、何が悪いの? ……という流れをSNSで載せて、炎上して鍵垢になるまでが一連の流れです。
ここまで例にあげたように、大雨後に魚釣りをしたいなら、管理釣り場か湖が妥当です。”辿り着ければ”の話ですが……。
大雨後は道路に泥水が溜まっていることもあるので、レインブーツがあると歩きやすいです。
釣りに行けないのなら釣りを学べばいいじゃない
魚を釣ることが上手くなるには、魚を釣りあげないといけません。
でも、魚を釣るための知識は座学のほうが身につきやすい──。釣りに行けないのなら、その時間を学んだり準備することで、有効活用しましょう。雑誌があればバックナンバーを読めばいい。ブログだって参考になる記事は多くあるでしょう。何もしないと、何も進歩しないままです。
いつでもすぐ本を読みたい場合は、やはり電子書籍が便利です。
Kindleで30日間の無料体験をする!Kindle Unlimitedなら、登録時から30日間の無料体験がありますし、数多くの釣り雑誌も読み放題の対象になっています。これに関しては別の記事も書いているので、参考にしてみてください。