ステラのハードルを上げた「ヴァンキッシュ’16」

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フィッシングショーのスピニングリールで、話題になったのが「ヴァンキッシュ」の新モデル。

軽さがウリの製品で、業界最軽量といっても過言じゃない。使用フィールドを含めた総合面ではステラに譲りますが、ショアに限定すれば最高峰のリール。

 

それに合わせ、今回はハイエンドモデルに焦点を合わせたお話。

欲しかった釣具を叶えるのがハイエンドモデル

ルアーフィッシングで何故「ステラ」がもてはやされるか、その理由は巻き心地に集約される。

 

http://fishing.shimano.co.jp/product/reel/4349

 

釣りの中でも圧倒的にハンドルを回すので、動作の滑らかさは釣りのしやすさに繋がる。

そのレスポンスが悪いと、アクションがブレたり集中が途切れたりと、ストレスがたまりやすい。

巻き心地が気持ちいいほど、ルアーフィッシングはかなり楽しくなります。

 

もうひとつレスポンスをあげる方法は軽量化

軽くなるだけでロッドはすんなり振れるし、長時間で疲れにくくもなり、ハンドルも同様に軽く回せるようになります。

スピニングリールの構造上、回転を軽くするためには、ローターとスプールの軽量化が効果的。

それを極限まで突き詰めたのが「ヴァンキッシュ」の特徴です。

 

各社リールの軽量化に励み、「(巻きの)レスポンス向上」を強調したモデルも多く登場しています。

その中でも、全メーカーをして最高峰なのが「ヴァンキッシュ’16

ぶっちゃけ過去のステラより性能は上になりました。

ハイエンドモデルの元祖ともいえるスノーピークのテント

アウトドアブランドのスノーピークは、性能と耐久を重視したアイテムがユーザーの支持を得て、業界トップブランドになりました。

この方向を決定付けたのが、明らかに高額である16万円のテント。

 

それが登場するまで市販は1万円以下だけでした。

途中アウトドアブームも後押しして、ライトユーザーはそれで満足するけど、自然と戦うヘビーユーザーは耐久度への不満があった。

そこで現在の代表取締役である山井太氏が、「自分が本当に欲しいテント」を作った結果、16万円もするテントが完成しました。

 

「こんな高いテントは売れないだろう」といわれたが、当の本人も驚くほど売れたわけです。

たまの趣味程度には安物で十分だけど、耐久と居住を備えた良い物を求めている人もいる。

釣りでも高額なハイエンドモデルに興味があるのは、現在のタックルを使いながらも「これ以上の物を──」と感じた人達でしょう。

「それは本当に必要か?」を考えると、微妙──?

シマノのリールは「巻き心地はシマノ」といわれるほど、レスポンスは業界屈指

他メーカーがダメなわけでもなく、リール本来の使い方ならどこも大差はありません。所詮は糸を巻くための道具です。

 

ルアーフィッシングはとにかく巻くことが多い釣り。

なので内部ギアなど本体の消耗が特に激しい。安物はその劣化が早く訪れるのは周知のことで、高額となれば耐久度が飛躍的に向上します。

リールは常に手元にあるので軽さも重要。

ようは「軽くて強いリール」が最善手なわけですが、それを叶えているのがハイエンドモデルです。

 

16万円テントの話と同じように、たまーに行く程度なら特に必要はないです。

プロ的な人なら宣伝代わり(スポンサー)にハイエンドを使うのはアリでしょう。

一般にとっては、1回の釣行毎に質を求めたいなら、選択するのはアリです。

道具にお金をかけると何が変わるのか

高額の製品は軽さと耐久値が段違いに向上しています。

シマノ製で例にすると──

ロッド部門では[ソルティーアドバンス]の10ft(220g)と、シーバスモデルではハイエンドな[EXSENCE]の10ft(162g)を比べると、同じ長さでも60gの違いがあり、価格も5倍以上違います。

同様にリール部門では、[エアノス4000番]と[ヴァンキッシュ4000番]を比べると100gほどの違いがあります。

 

廉価モデルの組み合わせと、ハイエンドモデルの組み合わせでは、「あ、ちょっと重いわ」と感じるスマホ程度(160g)に重量が違います。

100gの軽量化は、キャスティングを繰り返すルアーフィッシングにおいて、自身の燃費向上に繋がります。

特に振る動作をするロッドのほうが恩恵を感じやすい。

ハイエンドモデルの効果は、スタンダードに慣れてこそ実感する

初心者にハイエンドを進める商魂たくましい業者も存在します。

しかしながら最初にそれを使って、不満を感じてしまえば、あとは何を勧めたらいいのだろう。

道具は雑に扱えば壊れやすく、大事に扱えば長持ちします。それは値段と関係はないです。

 

個人の考えとしては、初心者ならまず安物(スタンダード)を使って、それを1年以上保たせる管理ができてからハイエンドに手を出してほしい

ステラやヴァンキッシュのようなハイエンドリールは、オーバーホール(修理)に出すだけで、それなりにイイリールを買えるレベルになります。

物は高くなればなるほど維持費がかさむ。年収一千万以上かそれ以下の所得税の差みたいなもん。

 

とはいえ新しく買い直すよりは安く済みます。

「保証」という魔法の言葉もありますが、適切な使用方法下のみ適用されることが常識。

まずはちゃんとメンテナンスをできるようになってから選びましょう。

「これを超えるために次のステラはどうなるのか」を考えると来年が楽しみになる

おそらく来年あたりにモデルチェンジすると思いますが、新型ヴァンキッシュを触った後に感じるのが、「次のステラってこれ以上になんの?ヤバない?」という小並な感想。

軽くて強度のある金属となると、もう宇宙船の技術を使うレベルになりそう。

 

アナログな釣具がIT全盛期の今後、どのように進化していくか──。私はそこへ進む釣具も楽しみです。

家電業界に負けず劣らず、デジタルなところも取り入れていって欲しいですね。

現状でハイテク()の最高峰は、漁船なんですけど……。

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