道中でみた気温表示では11度。夜釣りであれば、ぼちぼち保冷剤も要らない時期にもなってきた。
一応保険として凍らせたボトルを買おうと、コンビニの冷凍ケースで──「これ買ったとしても、もう飲むタイミングがないよな」と気付く。
じゃあ食べ物を選ぼうと、うどんを買ってみたところ、帰って蓋を開けたらそのシュールさに笑う。
……釣行記の体では、これでもう8割出し尽くした。
タイミングが悪すぎるとわかりつつ行く
相変わらず天候の境界になりやすい私の月曜日。
今回は曇りで済んだが天気は下り坂。冷え込み最高潮。長いトンネルで微細に香る排ガスを逃がすため、窓を全開にしたら拷問めいた寒さだった(ご褒美)。
小潮でド満潮、おまけに潮位変動も微小。秋をすっとばして冬に突入しそうな気温、おまけに時合も行方不明。雨が降った後で水温も下がり気味だろう。
釣れるビジョンがこれっ…………ぽっちもない。
けれど行く。
”釣れないデータ”も必要なものだ。
衣替えに失敗しましたねぇ
冷えるだろうと予測はして、久しぶりにグローブをはめた。しかし、なんか足りなくない?
冬期でのアパレルパーツが何か足りない、あっ……ネックウォーマーの存在を忘れていた。
まだグローブなしでも余裕な気温だけど、首筋から通る風は結構冷たく感じた。
「おかしいな、冬はこれでも戦えたけど…」。君君! 厚手のインナーも忘れてますよ!
「釣れそう?」の一画目もはじまらないくらい希望がない
開始早々、対岸に停まった車がハイビームでこっちを照らしてきおる。
漁船が通った時にローにして、んでハイに戻すとかよくわかんない。夜焚きでアジ狙うならロービームでどうぞ。
ベイトの一画目もはじまらないが、ヘイトは確実に溜まっていく。何? 財宝なんか盗んでないよ?
こんな気分なんですけど、これはとっとと帰ったほうが良さそうですねぇ……。
──で終わるのも来た意味がない。とりあえず「お魚さんが居ないことを確認する作業」をはじめる。
今頃イワシが入ってくるはずだけど、先々週にはまだ居たアジも見かけない。
水温を計ったら17度、この前より3度も下がっている。……となると河口か深場に居るだろう(ここもほぼ河口だけど)。
堤防からジグかバイブを転々と投げるのが無難そう(やるとはいってない)。
流れ星に願い事3回ってムリゲーじゃね?
こういう時だけ元気に跳ね回るボラが触れたっぽいのは数回。
沈んでた木の枝を救いだすこと1回。
草を釣ること数えたくない。
──うん、やっぱり来週のほうが良さそうだな。
空を眺めると、雲は多いが切れ目から覗く星がよく見える。
流星群の到来している時よりも、夜釣りをしている時のほうが流れ星はよく見ている。たまたま目を空に向けた時、雲が爆ぜるように流れた星は、地上にも光が届き美しかった。
「君の名は。」のティアマト彗星みたいに見えるなら、願い事叶え放題に思える。が、実際目にするのは1秒あればいいほう。
「あっ流れ星だ」、と気づいた時に終わっているのが物悲しい。
1秒では「金!金!金!」でも間に合いそうもない。条件反射で「津!津!津!」と唱えればいけるか……? 松阪に思い入れはあるが、津にはなかったり(辛辣)。
願い事を叶えることは、簡単そうで、それだけ難しいものだと思う。
あの流れ星のおかげでまた観たくなったゾ。
うどんは翌日の晩飯にしました(コシが行方不明)