煮汁の黄金比と煮魚を失敗しにくくなる3つのコツ

 

煮汁の「黄金比」は、「水5:酒5:みりん2:砂糖2:醤油2」とされている。

これは味が淡白な白身魚に適している比率。なので種類によって適時変える必要性がある。

 

水煮なら簡単だけど、煮魚料理として仕上げるのは意外と難しい。

自ら試行錯誤して身につけた、押さえるべきポイントと”コツ”を3つ紹介してみる。

(※2018/3 改稿)

 

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煮魚を上手に作るコツとは?

 

☑酒とみりんはケチらない(砂糖の重要性)

☑煮るより冷ます過程で味を染み込ませる

☑落し蓋は必ずすること

 

この3つは必ず押さえておきたい項目。順に説明します。

 

1.酒とみりんはケチらない(砂糖の重要性)

 

煮汁は「魚の厚さに対して2/3の量」、魚を半身浴させる感じ。

水と酒は5:5だから、これで魚が半分浸かるようにします。残りの2:2で嵩を調整。

みりんは多めでも、砂糖を入れずに済むくらいで、失敗にはなりにくい。でもしょうゆを多くすると辛くなるし、水と酒で調整しようとすれば、煮物っていうか鍋仕様になってしまう。

 

「分量を計量しないと作れない病」も居るはずですが、数あるレシピの規定量は、鍋の深さや大きさで変化するから”適宜”で締められることが多いでしょ?

レシピは「この大きさの魚でこの鍋なら同じ味になりますよ?」の指標です。

だからキッチリ計らないと作れない人ほど、料理は失敗しやすいのです。

 

砂糖は煮物において、旨味を出すために必要な調味料。

それとは別に、タンパク質と水を繋げて、冷めてもしっとりな状態を保持してくれます。菓子に砂糖を多く使うのは、水分を保持した状態を保つための役割もあります。

わかりやすくいえば、「身をパサパサにしないため加える」が、砂糖さんの役割です。

 

なくても作れるが、ないと物足りなく感じる日本酒とみりん

 

 

みりんパワーで「照り」を出したいなら、水と酒を減らして煮汁を少なめに。

魚をふっくらと仕上げつつ、臭みを誤魔化すのは「酒」の役目。

砂糖は別になくても困らないし、米酒に余裕があるなら、ベースをそれだけでやるのもアリ。

 

「水10に塩麹」もアリな登板。酒粕で「粕煮」にするにもいい。

煮魚においてはみりんが重要で、主に「臭み抜き・身を引き締める(煮崩れ防止)・旨味成分」の役割がある。

”本物の”みりんは少し高くなるけど、照りが綺麗に出やすい。

 

 

安価なみりんは「みりん風調味料」です。わかりやすくいうと、本物より薄い。

料理酒も安物は化学パワーで作られたものなので、純米に比べると臭み取りが弱い。

 

2.煮物は冷ます段階で味を染み込ませるのが定石

 

ガンガン煮るほど素材が柔らかく、味が染み込むと思っている人もいるかと。

でもそれは、固い素材を柔らかくする調理法ですからね。非常時に革靴を食べる時に使えます。

魚の身が柔らかければサッと茹でる感じで。硬めの白身はそれより時間をかける感じ。

 

煮込む料理はどんな料理でも、冷めることで味が染み込んでいきます

これは「浸透圧」が関係しています。

魚を加熱することで内部の細胞が破壊され、含まれる水分や脂が抜けます。これがパサパサになる理由。

火を止めて冷却すると、その隙間に煮汁が”浸透”していく……ということ。

 

 

冷めるとき味がしみこむのはなぜか?

 

科学的見解で詳しく知るには、こちらを参照して頂きたい。

 

魚を煮込む時間は、せいぜい10分程度。

火を止めて自然と冷ます最中に、スプーンで煮汁をかけてあげると、全体に味が馴染んでいきます。家庭だと手間ですが、和食ではこれが正しい方法。

手間を省くなら、キッチンペーパーか布巾を上にかけて、加熱と冷ますを3回くらい繰り返すといい感じに染み込みます。

さらに短時間で済ませたいなら、圧力鍋しかないですね。

 

3.落し蓋の重要性

 

煮物に落し蓋をすのは「煮崩れを防止するため」です。

(1)と(2)は美味しくするための重要項目。(3)は魚の形を維持して綺麗に提供するための方法。

その効果はざっくり3点。

 

 

1.具材を踊らせないことで煮崩れ防止になる

2.煮汁の蒸発を防ぎつつ、密閉を高めることで、弱い火力でも全体に火が通りやすくなる

 

煮物はグツグツと沸き、対流が起こりますよね?

対流で具材が動くと、鍋やら互いに擦れて角がとれていきます。抑えてそうなるのを防ぐのが落し蓋の役目。

おまけに蒸気で軽めの圧力をかけてくれるから、味を染み込ませるのにも人肌脱いでます。

 

 

圧力に期待するなら木製の物を。

ステンレスの落し蓋は100均にあります。簡易で済ませたいならアルミホイルに包丁なりで穴を開けでかぶせる──などの選択肢があります。

鍋より大きい物を選んでしまうおちゃめなことは避けましょう。

 

魚種ごとに変化させる味付けと目安(ざっくり版)

 

お魚さんは種類がたくさんあります。おまけにそれぞれ身質や骨の構造が違います。

国内のみで約3000種いますけど、釣れるなり市場で売られるなりを考慮すれば、大まかに3種でまとめることができます。

 

(A)筋肉モリモリマッチョマン系の白身魚

 

カレイ・ヒラメ・タイなどは、泳ぎが達者で肉がコリコリ身は硬め。歯ごたえを楽しむ刺身に使われやすい。

煮魚になると白が鮮やかに染まり、筋繊維が離れやすく箸で簡単にほぐすことができる。

「煮魚にすると食べやすい魚達」、ともいえますね。

 

血合いが他の魚に比べ多くないから、薄味でも臭みを抜きつつ味をなじませることができる。

煮魚料理にするに、基本中の基本──て感じですかね。

箸で簡単に骨から外せるし、身がパズルみたいに解けるので、食育に向いているかな。

 

(B)もともと甘めの白身魚

 

金目鯛・アカムツ・タチウオなど、わりと深海に棲む魚は身が柔らかく、煮崩れしやすい。

火が強すぎると、対流で身崩れしやすい。なので落し蓋が必須。みりんと砂糖を少し増やし、化学で煮崩れを抑制させるにも限界はあります。

濃い味で短時間勝負か、薄味でじっくり浸透の二択かな。キンメは短時間勝負が向いているかも。

 

(C)臭いが気になる青魚は臭み消しを

 

サバ・イワシなどの青魚は、臭みの原因である脂と血合いが多い。

下処理の段階で残った血をよーく洗い流し、味付けは基本で構わないけれど、ショウガやネギなど、薬味を入れること

あっさり仕上げたいのなら、先に1度湯でて血や脂を抜き、そこから本番の二度煮がオススメ。もちろん味は若干落ちます。

 

「君の作った煮魚は臭くて食べられないよ」などの通告をされた経験があるのなら、二度煮てショウガもりもりでやってみましょう。

 

 

パックで買ってきた魚に一手間かけてさらに美味しく

 

生臭い煮魚しかできない人は、下処理が下手な(しない)パターンでしょう。

パックの切り身は、そのまま鍋インできるようにはなっています。でも血合いを洗い流したり、塩をふって身を締めて脂を脱いたりの、手間はかけていません。

つまり、そのまま使うと、生臭い料理ができやすいわけです。

 

なるたけ手間をかけず保存するにおすすめは「塩フリージング」。

買ってきた魚を水洗いして、水気を取り、塩を全体にまぶして冷凍──もしくは冷蔵するだけの手間。

 

話題の保存方法「塩フリージング」とは?うまみもアップして時短料理にも!|macaroni

 

翌日使いたいなら、塩をまぶしてペーパーで包み、冷蔵でも十分。保存と熟成をかねるなら冷凍。

魚の下処理的な話は、こちらの記事でも書いているので、時間があれば目を通してみてください。

 

「血抜きvs神経締め」どちらの効果が上か?【魚を〆る美学】
釣り場で魚を締めている姿を見かける。 「せっかく釣れたのだから、より美味しく食べたい」──の気持ちはわかる。けれど、根拠は存在しているのだろうか。 「締めた刺身はうまいなぁ(チラ」とか「やっぱり神...

 

最後に「煮汁の黄金比」の補足

 

「煮汁の黄金比」についてですが、まあ……冒頭のレシピがいちおう王道です。

ひとこと煮物料理といっても、味付けの分類は多彩です。

 

どれでも必ず使うのが「みりん」。次に醤油。

 

ようするに、「醤油とみりんを合わせたモノ」が煮汁のベースで、「2:2」が黄金比になります。

お浸しやら煮魚など、煮物料理とされているのは、それを水なり日本酒で割り、煮汁のレシピとなっているわけです。

 

なので和風で煮るときは、醤油とみりんがないと詰んだ感じになりますね。

それだけ使うし欠かせないから、創作で”お隣さんから醤油をかりる描写”があたりまえみたいに見えるのでしょうね。

料理
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海釣りがメインで、たまに淡水もやります。2018年は身近な浜名湖で、ポイントを転々と釣り歩いてマッピングしたい所存。

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