冬は魚もアングラーも冬眠していきます。
でもサーフは(水温的な意味で)熱いまま!
激シブと多くが嘆く厳寒期こそ、釣果が増える稀有なルアーがあります。それがJUMPRIZEのかっ飛び棒。
改めて「かっ飛び棒130BRは冬でも強い理由」にクローズアップしてみました。
”この記事のまとめ”
冬の釣りは厳しいものですが、JUMPRIZEの「かっ飛び棒130BR」は冬でも釣果を上げる稀有なルアーです。このルアーの最大の特長は、38gという重量にもかかわらず、水面直下を通せる浮き上がりの早さと、フォールの遅さです。これにより、動きたくない魚の目の前にゆっくりと落ちるベイトを演出できます。また、飛距離がメタルジグ並みに優れており、キャスティング技術の差が出にくいのも魅力です。
冬期のサーフでは、季節風を利用したウィンドドリフトが効果的です。風の力でラインを煽り、ルアーを適切な位置にスライドさせることで、ヒラメなどのターゲットに効果的にアプローチできます。この方法をマスターすれば、巻かずにルアーを操作し、魚の動きに合わせたアクションが可能です。さらに、風を味方にすることで、ルアーを長時間見せることができ、釣果を上げることができます。
かっ飛び棒のすごいところは巻かなくてもいいところ
かっ飛び棒の優れているポイントは、
130mmの大きさで38gもあるのに、水面直下も通せる浮き上がりの早さにあります。
図体のわりにフォールが遅いため、なるたけ動きたくない魚の眼の前に、ゆーっくりとふらふら落ちるベイトを演出できるため、
「……しゃあない、食ったろ!」
と、重い腰をあげてもらえるわけです。
そして飛距離はメタルジグ同等に飛びます。雑な投げ方でも飛んでる最中に姿勢を正すため、キャスティング技術の差があまり現れません。
──でもそれらの要素はオマケみたいな存在です。
ルアーはなるべく巻かないほうが釣れる
ルアーは巻く釣りと思われがち。でも巻かないほうが釣れやすい。
「……お前は何いってるんだ?」
と頭の心配をされそう。
でも今までのヒットパターンをよーく思い返してください。
──ほとんどが「フォール中」でしょう?
水温が下がると魚の動きも鈍るため、早いリーリングでは噛みつく前に逃げられる状態に。なので彼らの動きに合わせて、口に送り込むようなアクションが求められます。
かっ飛び棒に関して細かいインプレは「こちらの記事」で書いているので
──今記事では「低水温の厳寒期でヒラメを狙えるかっ飛び棒の有効な使い方」について記述します。
【冬期サーフ向け】季節風を味方につけるウィンドドリフト
冬期に遠州灘で吹く風は、常時7m前後の西寄り。
人によっては”爆風”と感じるでしょうけど、追い風になりやすいのがメリット。
場所によっては10mだろうがやりやすく感じます。
でもラインが風にあおられ、ルアーが浮き上がりやすい難点はどうしようもない。
そのため沈ませるタイプ(シンキングミノー・ペンシル)は有効レンジから外れやすい。
強風下では潜らせるタイプ(リップ付きミノー・比重のあるメタルジグなど)が有利に働きますが、プラグはどうしても飛距離ができにくい難点があります。
……この難題を解決する方法はないのだろうか。
かっ飛び棒はジグミノー寄りのシンキングペンシル。カテゴリ内でも随一の重量(38g)はありますが、ラインが浮かべばどうしようもありません。
そのため、あえて巻かないメソッドが成立します。
ピンポイントを攻めるドリフトコントロール
まずはピンポイントで狙うべき箇所を決めること。
それを決めないと闇雲なだけで、コントロールするとはいえません。瀬の周りや離岸流の出口、そして中や周囲など、狙うべきポイントを見定めることが第一歩。
今回の例は、着水後に瀬の一部をフォールで狙いつつ、ラインを煽ってドリフトさせ、離岸流のオイシイとこを通す想定です。
- 風が自分の右手から吹いているので、沖の瀬のポイントやや右方向に着水させる。
- キャストしたら、ラインは全て水面につけ、風に煽られるのを防ぐこと。
- ここでロッドを持ち上げ、意図的にラインを風にのせれば、ルアーが浮いてほぼ真横にスライドします。
風でラインが煽られる時は、いくらメンディングしようと無駄。ティップから出るラインを全て水に浸けるほうがマシです。波で折れる可能性があるのでティップは浸けないように。
ルアーを着底させるため、煽られつつ移動する分を逆算し、ポイントのやや右手に着水させましょう。すると左へと進みながら沈み、いずれ着底させることができます。
これを任意で調整するのがドリフトコントロール。
着底させた状態でラインはこんな感じで弓なりになります。真っ直ぐメンディングする必要はなく、少し張る程度で十分。この状態でアタリをロッドで感知するのはほぼ無理です。たるみがある時はラインでアタリをとりましょう。
「なんだよ、ハードル高いじゃねぇか……」
そう思うことはありません。
ヒラメは一度噛んだらそうそう離しません。だからラインをメンディング中でも「なんか重い」と感じたり、引っ張られたり、よくわかんねぇけどラインが真っ直ぐなってたりしたら、それがアタリです。
瀬でアタリが来なかったら、そのまま離岸流の出口から中へ通します。これは巻取りつつ離岸流へ寄せそこで止めて落とせばいい。
「流し込む」のほうが的確かな。
一連の流れをざっくり押さえると──
- 「ここに居そう!」なポイントから風上に向かって着水させる
- 風の力でスライドさせつつボトムまで落とす
- ラインの変化を逃さなくても、巻いて重ければヒラメさんが着いてる
基礎知識があると、
「水深AならBグラムでC秒かかるから、あのポイントからDメートル離して着水させるか──」
てな具合に組み立てることができます。
ラインがたわんでいてもルアーは線をなぞってくる
強風時のドリフトコントロールで難しいのは、たわんだラインでルアーがどこを通ってくるのかわからない点でしょう。この解決法はすごい簡単。
水面に浮くラインがそのままルアーの通り道になります。
ようはルアー通したいポイントにラインを置けばいいわけ。
これは無風条件でも同様。
ドリフトをマスターすれば上下前後左右に動かす3Dアクションゲームが可能になる
ぶっ飛び君やかっ飛び棒を使ったドリフト釣法は、「3Dメソッド」といわれています。
別にこれじゃなくても、水平フォールするルアーなら同様のことができますし、軽めのメタルジグでも可能。風が強い日は無理に巻かなくても、ロッドとラインの操作だけでアクションは成立できます!
- ロッドを立ててラインを海側へ煽らせれば沖へ動かせる。
- 横に倒して煽らせれば真横に動かすこともできる。
- 特性を理解し、組み合わせれば、ただ巻くよりも長時間、ルアーを見せる時間が生まれる。
風を味方にすると、こんなことだってできるようになります。
【まとめ】かっ飛び棒はなぜ厳寒期でも釣れやすいルアーなのか
- 強風時でもルアーの重さでドリフト操作がやりやすい
- 下から見れば細身、横から見ると大きいから、アピールしやすいスレにくい
- 向かい風でも問答無用に飛ぶ(それなり)
厳寒期に釣れるルアーを選ぶコツは、遅く長く見せることができる性質を選ぶこと。かっ飛び棒はその要素が十分すぎるほど備わっているため、オールシーズンでよく釣れるルアーなのです。